【税金入門 vol.19】確定申告のやり方 — e-Taxと必要書類
確定申告は「やり方」さえ分かれば怖くない
【税金入門 vol.18】確定申告が必要な人 — 会社員でも必要なケースで、確定申告が必要なケースを整理しました。
「自分は確定申告が必要だ」と分かったあと、次に来るのが「で、どうやるの?」という疑問ですよね。結論から言うと、今はe-Tax(電子申告)で自宅から完結できます。税務署に並ぶ必要はありません。
この記事では、初めて確定申告する人向けにステップごとに解説していきます。
確定申告の全体像
確定申告の流れは大きく4ステップです。
- 必要書類を集める
- 確定申告書を作成する(e-Tax or 紙)
- 提出する
- 還付金を受け取る(還付がある場合)
ステップ1: 必要書類を集める
正直、ここが一番面倒です。申告する内容によって必要な書類が変わるので、自分に該当するものだけ用意すればOKです。
給与所得がある場合(会社員・副業会社員)
| 書類 | 入手先 |
|---|---|
| マイナンバーカード(またはマイナンバー通知カード + 本人確認書類) | 手元 |
| 源泉徴収票 | 勤務先(12月〜1月に届く) |
| 銀行口座情報 | 還付金の振込先 |
副業所得がある場合
| 書類 | 入手先 |
|---|---|
| 副業の収入が分かる書類(支払調書、売上台帳等) | 取引先・自分で管理 |
| 経費の領収書・レシート | 自分で保管 |
医療費控除を受ける場合
| 書類 | 入手先 |
|---|---|
| 医療費の領収書(提出不要だが5年間保存義務) | 手元 |
| 医療費のお知らせ(健康保険組合から届く通知) | 健康保険組合 |
住宅ローン控除(1年目)の場合
| 書類 | 入手先 |
|---|---|
| 残高証明書 | 金融機関(年末に届く) |
| 登記事項証明書 | 法務局 |
| 売買契約書・工事請負契約書の写し | 手元の控え |
| 住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 国税庁サイト |
ふるさと納税の場合
| 書類 | 入手先 |
|---|---|
| 寄附金受領証明書 | 各自治体から届く |
書類集め、地味に時間がかかります。源泉徴収票は会社から届くのが1月末ごろ。届いたらすぐ確定申告に取りかかれるように、他の書類は先に集めておくのがおすすめです。
ステップ2: 確定申告書を作成する
作成方法は主に3つ。どれを選ぶかで手間がだいぶ変わります。
方法1: e-Tax(国税庁の確定申告書等作成コーナー)— おすすめ
国税庁のウェブサイトにある「確定申告書等作成コーナー」で、画面の案内に沿って入力するだけ。計算は自動でやってくれるので、電卓を叩く必要はありません。
必要なもの:
- マイナンバーカード + スマートフォン(またはICカードリーダー)
- マイナポータルのアプリ
マイナンバーカードがあれば、スマホをかざすだけで本人認証ができます。以前はICカードリーダーが必須でしたが、今はスマホだけでOKです。
方法2: 会計ソフト経由でe-Tax
freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトで帳簿をつけているなら、そのまま確定申告書を作成してe-Taxで提出できます。
フリーランスで青色申告する場合はこの方法が一番楽です。日々の仕訳データがそのまま申告書に反映されるので、数字を入力し直す手間がありません。
方法3: 紙で提出
税務署の窓口か郵送で紙の申告書を出す方法です。窓口なら職員に相談しながら書けるメリットがあります。
ただし、確定申告の時期(2月16日〜3月15日)は税務署がかなり混みます。2〜3時間待ちも珍しくありません。時間に余裕がない限り、e-Taxのほうが圧倒的に楽です。
e-Taxの始め方(初回セットアップ)
e-Taxを初めて使う場合、最初だけセットアップが必要です。とはいえ、やることは4つだけ。
1. マイナンバーカードを用意する
まだ持っていなければ、市区町村の窓口で申請します。申請から受け取りまで1〜2か月かかるので、確定申告シーズンに間に合うよう早めに動いておきましょう。ここが一番の時間ボトルネックです。
2. マイナポータルアプリをインストール
スマホにマイナポータルアプリを入れます。App StoreかGoogle Playから無料でダウンロードできます。
3. 利用者識別番号を取得する
マイナンバーカード方式で初めてe-Taxを利用する場合、確定申告書等作成コーナーの画面上で自動的に利用者識別番号が発行されます。事前にe-Taxのサイトで別途登録する必要はありません。ここは勝手にやってくれるので、気にしなくて大丈夫です。
4. 確定申告書等作成コーナーにアクセス
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスして、マイナンバーカードでログイン。あとは画面の指示に従って入力するだけです。
源泉徴収票の内容、副業の所得、医療費の合計額など、聞かれた項目を順番に入力していけば税額が自動計算されます。ちなみに、フリーランスとして独立した場合に税負担がどう変わるか気になる方は、ZeiSimのシミュレーターで事前に確認しておくと安心です。
ステップ3: 提出する
e-Taxの場合
確定申告書等作成コーナーで申告書を作ったら、「送信」ボタンを押して終わり。24時間いつでも出せます。
提出後に「受付完了」の画面が表示されるので、スクリーンショットを撮っておくかPDFで保存しておきましょう。これが提出した証拠になります。
紙の場合
- 税務署の窓口: 直接持参して提出
- 郵送: 所轄税務署に郵送(消印日が提出日になる)
郵送で控えの返送を希望するなら、返信用封筒(切手貼付済み)を同封してください。
提出期限
| 区分 | 期限 |
|---|---|
| 通常の確定申告 | 翌年3月15日 |
| 還付申告 | 翌年1月1日〜5年間 |
3月15日が土日の場合は翌営業日にずれます。期限を過ぎると無申告加算税(原則5〜30%)と延滞税がかかる場合があるので、ギリギリまで引っ張らないほうが安全です。
ステップ4: 還付金を受け取る
確定申告で税金が戻ってくる場合(還付申告)、還付金は申告書に記載した銀行口座に振り込まれます。
いつ届くか
還付金の状況はe-Taxの「メッセージボックス」や国税庁の「還付金処理状況確認」ページで確認できます。待っている間、意外とそわそわするんですよね。
還付金の受取口座
申告者本人名義の口座のみ対応。家族名義の口座は指定できません。ゆうちょ銀行も指定可能です。
書類作成に不安があるなら、会計ソフトを使うのが手っ取り早いです。入力漏れや計算ミスも防げます。
よくある間違い
確定申告まわりで、意外と勘違いされがちなポイントを3つ挙げておきます。
「源泉徴収票は提出しないといけない」
e-Taxで提出する場合、源泉徴収票の添付は不要です。ただし記載内容は正確に入力する必要があるので、手元に用意しておいてください。紙で提出する場合も、2019年4月以降は添付不要になっています。
「確定申告は税務署に行かないとできない」
e-Taxならスマホとマイナンバーカードだけで完結します。24時間いつでも出せるので、深夜でも早朝でも問題ありません。
「還付申告も3月15日までに出さないとダメ」
これ、勘違いしている人が多いです。還付申告は翌年1月1日から5年間有効です。3月15日の期限はあくまで「通常の確定申告」の話であり、還付申告には当てはまりません。
この記事のまとめ
- 確定申告はe-Taxで自宅から完結できる。税務署に行く必要なし
- 必要なのはマイナンバーカードとスマホ。ICカードリーダーは不要
- 必要書類は申告内容によって異なる。源泉徴収票は全員共通で必要
- 提出期限は翌年3月15日。還付申告は5年間有効
- 還付金はe-Taxなら2〜3週間で振り込まれる
- フリーランスは会計ソフト経由でe-Tax提出が一番楽
次の記事では、フリーランス向けに青色申告と白色申告の違いを解説します。65万円控除の条件、複式簿記、開業届の手続きまで。
※ 本記事は2025年分の税制に基づく概要説明です。確定申告の手続きや必要書類は個人の状況により異なります。正確な判断は税理士にご相談ください。
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