マイクロ法人の設立手順を完全解説|合同会社を最短1週間・6万円で作る方法
はじめに
「マイクロ法人の設立って難しそう...」と思っていませんか? 実は合同会社なら最短1週間・費用6万円で作れます。
やることはシンプルで、基本事項を決めて、定款を作って、法務局に登記する。これだけです。「そもそもマイクロ法人って何?」という方は、先に「マイクロ法人とは?仕組みとメリットを解説」を読んでおくとスムーズです。書類作成はマネーフォワード クラウド会社設立
を使えば無料で完結します。
実際にやってみると拍子抜けするほどシンプルです。ただ、先延ばしにするとその分だけ高い国保を払い続けることになります。たとえば年収1,000万円(経費率28%・単身)のフリーランスなら、国保から社保への切り替えで月約1.3万円、年間で約15万円の負担減が見込めます。具体的な金額は無料シミュレーションで確認できるので、ぜひ試してみてください。
合同会社 vs 株式会社
マイクロ法人なら合同会社一択です。設立費用が安く、手続きが簡単で、機能的な差もありません。株式会社と迷う方もいるかもしれませんが、比較してみると一目瞭然です。
| 項目 | 合同会社 | 株式会社 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 6万円 | 15万円 |
| 定款認証 | 不要(0円) | 必要(1.5〜5万円 ※資本金額による) |
| 電子定款の印紙代 | 0円 | 0円 |
| 設立費用の合計 | 約6万円 | 約20〜25万円 |
| 設立にかかる期間 | 約1週間 | 約2〜3週間 |
| 決算公告義務 | なし | あり |
| 役員の任期 | なし(無期限) | 原則2年(最長10年) |
株式会社のメリットは「社会的信用」ですが、マイクロ法人は取引先に見せる看板ではありません。社会保険料を下げるための器なので、コストが安い合同会社で十分です。
設立に必要なもの
手続きに入る前に、何を揃えればいいか確認しておきましょう。
- 個人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)— 市区町村の窓口で取得
- 法人印鑑(実印・銀行印・角印の3本セット)— ネット注文で3,000〜5,000円程度
- 資本金(1万円〜100万円が一般的)— 個人口座に振り込む
- 身分証明書(運転免許証やマイナンバーカード)
- 設立する法人の基本情報(商号、事業目的、本店所在地、決算期)
法人印鑑はネット注文から届くまで数日かかるので、最初に発注しておくのがコツです。ここがボトルネックになりがちです。
設立手順(7ステップ)
Step 1: 基本事項を決める
まずは法人の基本情報を決めます。ここが定款や登記の土台になる部分です。
商号(会社名)
「合同会社○○」の形式です。同一住所に同一商号の法人がなければ自由に決められます。国税庁の法人番号公表サイトで重複を事前にチェックしておくと安心ですよ。
事業目的
定款に記載する事業内容です。二刀流スキームでは、個人事業と別業種にする必要があります。たとえば個人事業がソフトウェア開発なら、法人の事業目的はコンサルティング業や物販業など。将来やる可能性のある事業も含めて3〜5つ書いておくのが一般的です。
本店所在地
自宅の住所で問題ありません。賃貸にお住まいの方は、管理規約で法人登記が禁止されていないか確認しておいてください。
資本金
法律上は1円から設立できますが、現実的には1万円〜100万円。資本金が少なすぎると法人口座の開設審査で落とされることがあるので注意が必要です。
決算期
設立日から最も遠い月を決算月にするのがベストです。たとえば4月設立なら3月決算にすると、初年度を最大限に長くできます。もう一つ、1月〜3月は税理士が確定申告で忙しい時期なので、この時期を決算月にすると対応が後回しにされがちです。ご存知でしたか?
Step 2: 法人印鑑を作る
法務局への登記申請には法人の実印が必要です。ネットの印鑑ショップで「法人印鑑3本セット(実印・銀行印・角印)」を注文すればOK。素材にこだわらなければ3,000〜5,000円、納期は3〜5営業日です。
Step 3: 定款を作成する
定款は会社のルールブックのようなものです。合同会社は株式会社と違って公証役場での認証が不要なので、手間がかなり省けます。
電子定款にすれば印紙代4万円を節約できます。 マネーフォワード クラウド会社設立
なら、フォームに沿って入力するだけで電子定款を無料で作成可能。紙の定款だと収入印紙4万円がかかるので、電子定款一択ですね。
定款に書く主な項目はこのあたりです。
- 商号
- 事業目的
- 本店所在地
- 社員(出資者)の氏名・住所
- 社員の出資額
- 業務執行社員の定め
- 事業年度
Step 4: 資本金を払い込む
「法人口座に振り込むの?」と思うかもしれませんが、この時点ではまだ法人口座は存在しません。定款の作成日以降に、発起人(自分)の個人口座に資本金を振り込みます。
振込後、以下を1つのPDFにまとめて「払込証明書」を作ります。
- 通帳の表紙コピー(銀行名・口座番号が確認できるページ)
- 通帳の振込明細コピー(資本金額の入金が確認できるページ)
- 払込証明書の表紙(振込金額と日付を記載)
ネットバンキングなら、取引明細のスクリーンショットで代用できます。
Step 5: 登記申請する
書類が揃ったら、本店所在地を管轄する法務局に登記申請します。
必要書類
- 合同会社設立登記申請書
- 定款(電子定款のCD-RまたはUSBメモリ)
- 代表社員の印鑑証明書
- 払込証明書
- 印鑑届出書
- 登録免許税の収入印紙(6万円)
法務局の窓口に直接持参するか、郵送で申請できます。オンライン申請も可能です。申請から登記完了まで通常1〜2週間。登記申請日が会社の設立日になるので、設立日にこだわりがある方は申請日を調整しておいてください。
Step 6: 各種届出をする
登記が完了したら、各所への届出が必要です。期限が短いものがあるので、ここは気を抜けません。
| 届出先 | 届出書類 | 期限 |
|---|---|---|
| 税務署 | 法人設立届出書 | 設立後2ヶ月以内 |
| 税務署 | 青色申告の承認申請書 | 設立後3ヶ月以内または最初の事業年度末のいずれか早い日 |
| 税務署 | 給与支払事務所等の開設届出書 | 設立後1ヶ月以内 |
| 都道府県税事務所 | 法人設立届出書 | 都道府県による(概ね設立後1ヶ月以内) |
| 市区町村 | 法人設立届出書 | 市区町村による |
| 年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 | 設立後5日以内 |
年金事務所への届出は設立後5日以内と非常に短いです。登記が完了したらすぐに対応してください。届出には登記簿謄本(履歴事項全部証明書)が必要なので、登記完了後に法務局で取得しておくのを忘れずに。
Step 7: 法人銀行口座を開設する
登記完了後、法人名義の銀行口座を開設します。メガバンクは審査が厳しく、設立直後の合同会社だと断られることも珍しくありません。どの銀行にすればいいか迷いますよね。おすすめはネット銀行です。
- GMOあおぞらネット銀行 — 設立直後でも開設しやすい、振込手数料が安い
- 住信SBIネット銀行 — 法人口座の維持費無料
- PayPay銀行 — 審査が比較的通りやすい
開設に必要な書類は銀行によって異なりますが、一般的に以下が求められます。
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 法人の印鑑証明書
- 代表者の本人確認書類
- 法人の事業内容がわかる資料
設立後にやること
法人設立と届出が完了したら、次の初期設定に進みましょう。
役員報酬の決定
役員報酬は設立後3ヶ月以内に決定し、以降は事業年度中に変更できません。二刀流スキームなら、社会保険料を最低等級に抑えるため月額4.5〜6.2万円程度に設定するのが一般的です。最適額の根拠や等級ごとの保険料比較は「役員報酬の決め方ガイド」で詳しく解説しています。「いくらに設定すればいいの?」と迷う方は、ZeiSimの無料シミュレーションで最適な金額を確認してみてください。
社会保険の加入
年金事務所への届出が完了すると、健康保険証(または資格確認書)が届きます。届くまで2〜3週間かかることも。届いたら国民健康保険の脱退手続きを忘れずに行ってください。正直、これを忘れて二重払いになる人が意外と多いんですよね。
会計ソフトの導入
法人の経理処理を会計ソフトなしでやるのは、正直厳しいです。設立直後から導入して取引を記録していくのがおすすめです。銀行口座と連携して自動仕訳できるfreee会計
やマネーフォワード クラウド会計
を検討してみてください。
費用まとめ
合同会社設立にかかる費用の一覧です。意外と安いと思いませんか?
| 項目 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 60,000円 | 法務局に納付 |
| 定款の印紙代 | 0円 | 電子定款の場合 |
| 定款認証費用 | 0円 | 合同会社は認証不要 |
| 法人印鑑 | 3,000〜5,000円 | ネット注文の場合 |
| 登記簿謄本 | 600円/通 | 数通取得が必要 |
| 印鑑証明書 | 450円/通 | 個人・法人それぞれ |
| 合計 | 約65,000〜70,000円 |
書類作成はオンラインの設立サービスを使えば無料です。つまり実質的に必要なのは登録免許税の6万円と印鑑代だけ。
よくある失敗と注意点
設立時にやりがちな失敗をまとめておきます。
個人事業と同じ業種にしてしまう
二刀流スキームでは、法人と個人事業で同一業種を行うと税務署から租税回避と認定されるリスクがあります。ここは必ず別業種にしてください。
決算期を深く考えずに決めてしまう
設立月の前月を決算月にすると初年度が12ヶ月フルに確保でき、消費税の免税期間を最大限活用できます。1〜3月決算は税理士の繁忙期と重なるので避けたほうが無難ですよ。
資本金を1円にしてしまう
法律上は1円で設立できますが、法人口座の開設審査で不利になります。特段の理由がなければ数万円〜100万円程度にしておくのが賢明です。
届出の期限を過ぎてしまう
特に年金事務所への届出は設立後5日以内と短いです。登記申請前に届出書類を準備しておくくらいでちょうどいいですね。青色申告の承認申請も、期限を過ぎると初年度から適用されないので要注意です。
まとめ
マイクロ法人(合同会社)の設立は、7ステップ・約6万円で終わります。書類作成はオンラインサービスで無料、手続き自体も1〜2週間あれば十分です。
ここまで読んでいただいた方なら気づいたと思いますが、難しいことは何もありません。設立を1ヶ月先延ばしにするごとに約1.3万円の損失になります(年収1,000万円・経費率28%・単身の場合)。
まずは無料シミュレーションで自分の節税額を確認してみてください。設立に進む準備ができたら、以下から無料で書類を作成できます。累計5万社以上が利用しているサービスです。
※ 本記事の内容は2026年3月時点の情報に基づきます。制度・費用は変更される場合があります。手続きの詳細は法務局・税務署にご確認ください。
関連する記事
マイクロ法人の定義から個人事業との違い、二刀流スキームの仕組み、メリット・デメリット、設立の流れまで網羅的に解説します。
【税金入門 vol.29】個人事業税とは — 法定業種・税率・290万控除個人事業税はフリーランスにかかる地方税。法定70業種に該当すると税率3〜5%が課されます。290万円の控除、ITエンジニアが該当するかのグレーゾーン問題まで解説。
【税金入門 vol.28】インボイス制度 — 登録判断と2割特例2023年10月に始まったインボイス制度。免税事業者は登録すべきか? 登録した場合の消費税負担、簡易課税と2割特例の使い分け、取引先への影響を整理します。