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【税金入門 vol.3】会社員とフリーランス、税金の払い方はこんなに違う

# 税金入門# 税金の基本

同じ年収600万円なのに、手取りが違う

【税金入門 vol.2】日本の税金は何種類ある?国税・地方税・直接税・間接税をざっくり整理で、日本の税金の種類を整理しました。所得税、住民税、消費税、社会保険料……。では、これらの負担は会社員とフリーランスで同じなのか?

結論から言うと、同じ年収でも手取りは違います。しかもその差は年間数十万円になることもあります。

なぜか。「税金の計算方法」と「社会保険の構造」が根本的に違うからです。

会社員
年収 600万円
所得税20
住民税30
社保(自己負担)86
手取り464万円
社保は会社が同額を別途負担
フリーランス
年収 600万円(経費率20%)
所得税26
住民税36
国保+国民年金82
個人事業税8
手取り448万円
全額自己負担。扶養の概念なし
同じ年収600万円でも
手取り差 約16万円
フリーランスは「社保の折半」がないぶん負担が重い

違い1: 税金の払い方

会社員 — 全部天引き

会社員の税金は、会社が代わりに処理してくれます。

  • 所得税: 毎月の給料から源泉徴収。年末調整で過不足を精算
  • 住民税: 毎月の給料から特別徴収(天引き)

自分で計算する必要がありません。確定申告も基本的には不要です。「何もしなくても税金が払われている」状態です。楽と言えば楽ですが、裏を返すと自分がいくら税金を払っているか意識しにくい【税金入門 vol.1】給料から何が引かれてる?額面と手取りの差額をぜんぶ分解するで見た「額面と手取りの差額6万円」に驚いた人は、まさにこの構造が原因です。

フリーランス — 全部自分で

フリーランスは天引きしてくれる会社がありません。全部自分でやります。

  • 所得税: 確定申告(毎年2/16〜3/15)で計算して納付
  • 住民税: 確定申告の結果をもとに市区町村から通知が届く。年4回に分けて自分で納付
  • 個人事業税: 8月と11月の年2回、自分で納付
  • 消費税: 課税事業者なら確定申告とは別に申告・納付

「忘れてた」が通用しない世界。納付期限を過ぎると延滞税がかかります。

違い2: 所得の計算方法

同じ年収600万円でも、「課税される所得」の出し方が違います。ここの仕組みを知っているかどうかで、節税の打ち手がまったく変わってきます。

会社員: 給与所得控除

会社員には給与所得控除という「みなし経費」が自動的に適用されます。年収600万の場合、控除額は164万円。領収書を集める必要なし。

年収600万 − 給与所得控除164万 = 給与所得436万

フリーランス: 実額の経費 + 青色申告控除

フリーランスは実際にかかった経費を積み上げます。加えて、青色申告をしていれば最大65万円の特別控除。

年収600万 − 経費120万(経費率20%の場合)− 青色控除65万 = 事業所得415万

経費率が高い業種なら課税所得はもっと下がります。逆に経費が少ない業種(ITフリーランスなど)は、会社員の給与所得控除のほうが有利になるケースも。ここは業種と働き方で大きく変わります。

所得の計算方法は【税金入門 vol.4】「収入」と「所得」は別モノ — 税金の基本で詳しく扱います。

違い3: 社会保険の構造(最大の差)

ここが一番大きい。手取りの差のほとんどはここから来ます。

会社員: 労使折半

会社員の社会保険(健康保険+厚生年金)は、会社が半分負担してくれます。

項目本人負担会社負担
健康保険(東京都)約5%約5%
厚生年金9.15%9.15%
雇用保険0.55%0.95%

給与明細に載っている金額は自己負担分だけ。実際のコストはその倍。会社員が気づきにくい「隠れた報酬」です。

さらに、会社員の健康保険には扶養制度があります。配偶者や子どもを扶養に入れれば、追加の保険料なしで家族も保険が使える。これ、地味にでかいメリットです。

フリーランス: 全額自己負担

フリーランスが加入するのは国民健康保険+国民年金。折半してくれる会社はありません。

項目負担
国民健康保険所得に応じて増加。上限109万円/年(2025年度)
国民年金定額17,510円/月(年210,120円)

国保には扶養の概念がないので、家族が増えれば均等割の分だけ保険料も増えます。そして所得が上がるほど保険料も上がる。年収が高いフリーランスほど「国保が重い」と感じるのはこの構造のせい。

この社保の負担差が、同じ年収でも手取りが変わる最大の理由です。自分の場合いくら差が出るかはZeiSimのシミュレーターで確認できます。

違い4: 経費の自由度

会社員: 経費という概念がない

会社員は自分で経費を計上できません(特定支出控除という制度はあるけど、ハードルが高すぎて使う人はほぼいない)。給与所得控除で一律に処理されます。

フリーランス: 事業に関係するものは経費にできる

フリーランスは事業に必要な支出を経費にできます。

  • PC、ソフトウェア、書籍
  • 自宅の家賃の一部(家事按分)
  • 通信費、交通費
  • 取引先との飲食費

経費が多ければ課税所得が下がり、税金が減る。ここはフリーランスの明確なアドバンテージ。ただし「なんでも経費にできる」わけではないので、詳しくは別の記事で扱います。

まとめ: 4つの違い

項目会社員フリーランス
税金の払い方天引き(源泉徴収)自分で確定申告
所得の計算給与所得控除(自動)実額経費 + 青色控除
社会保険会社と折半 + 扶養あり全額自己負担 + 扶養なし
経費計上できない事業関連なら計上可能

会社員は「楽だけど自由度が低い」、フリーランスは「自由だけど全部自分でやる」。どちらが得かは年収・業種・家族構成で変わります。

次は所得税の計算ロジック — 累進課税と控除の仕組みに入ります。


※ 本記事の金額は2025年度の税制・保険料率に基づく概算です。年収600万円・独身・扶養なし・東京都在住を前提としています。実際の金額は個人の状況により異なります。正確な計算は税理士にご相談ください。

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